【短編】コンビニ
「こんなところでなにしてるんですか?
文化祭は本館ですよ」
「あ、友達を待ってて…」
「そうなんですか」
「君こそどうしてここに?」
「どうしてって、、賑やかなの得意じゃなくて」
あのコンビニの店員の女の子と話せている実感が
あまりなくて、
頭から離れなかった彼女に会えた実感もなくて
ふわふわとした気持ちになる。
「あの、そこ。僕の特等席なんです」
彼女の座っているベンチを指さす。
「別館なんて普段も誰も来ないから
静かで居心地よくて」
「そうなんだ!あ、ごめんね勝手に座って」
申し訳なさそうな顔をし、
慌てて立とうとする彼女を
直視できなくて少し目を逸らす。
「い、良いですよ、今日は。譲ります。
その代わり横に行ってもいいですか?」
恥ずかしくて熱くなる顔を隠す。
なんてこと言ってんだって頭の中はパニック状態で、それでも口が勝手に動いていく。