【短編】コンビニ
すずちゃんの視界に映る自分は
いつもの何事にも無関心な自分ではない。
僕に気持ちを伝えるために
ただただ一生懸命に告白してくれた
女の子たちの真剣な目に似ていた。
ああ、そうか。
あの子たちもこんな気持ちだったのか。
好きな人に振り向いてもらいたくて
周りも見えないぐらい必死で。
嬉しくて泣きそうで切なくて。
1人でいるのがこんなにも寂しいと感じる。
ずっとそばにいてほしいと思う。
この気持ちが恋なんだ。
目の前にいる僕の好きな人は
まだ僕の知らない、
とびっきりの笑顔を向けてくれた。
「私もまた廉くんに会いたい」
【完】