【短編】コンビニ
昨日の男の子が脳裏をかすめる。
セットされていない寝癖混じりの黒髪。
クリっとした目。
大人になりきれていない華奢な肩。
鮮明に浮かんでギュッと私の心を掴む。
嬉しくて。悲しくて。切なくて。
いろんな感情が溢れてくる。
ほんの一瞬の時間だったのに。
ただその一瞬が
私にとってはとても大切な時間で。
その想いは本物で。
それでも心の奥に秘めたまま。
そっと扉を閉めることにした。
自分を守るように。