【短編】コンビニ



「い、良いですよ、今日は。譲ります。
その代わり横に行ってもいいですか?」


恥ずかしくなったのか少し顔を赤らめて
片手で顔を隠している。


「え、、い、良いですよ」


でも恥ずかしいのは私も同じで。
ほっぺがじんわり熱くなるのを必死に隠す。


失礼します って少しお辞儀をして
ベンチに腰掛ける男の子。



近くで見ると何倍も何百倍もかっこよくて。
本当に人間か疑うくらい
綺麗で整った顔をしている。


白い肌、長いまつ毛にすっと通った鼻。
綺麗な二重にぷっくりとした唇。
そして今日も寝癖混じりの黒髪は
さらさらと風が吹くたびに揺れ、
ほんのりシャンプーの香りがした。


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