君へ贈るスカーレット
美咲はこの時初めてマスターの声を聞いた。
美咲「え··?だってお店もう終わりなんじゃ··営業時間夜の8時までって··」
するとマスターは優しい目で言った
「もしお時間お有りなら、スコッチエッグのご試食に協力してくれると助かるんですが」
美咲「え?スコッチエッグ··ですか?」
マスター「お嫌いですか?」
美咲「いえ、好物です··」
マスター「なら良かった··今からお作り致しますのでごゆっくりなさっていって下さい」
美咲「え?··いや、でも営業時間過ぎちゃいますよ?」

するとおばあさんがホットコーヒーが入ったコーヒーカップをテーブルに置いた。
「せっかくだから食べていって下さいな··看板しまったから、もう他のお客さんは来ないし··あなたには元気になるまでココでゆっくりして行って欲しいのよ··」
美咲「いいんですか?」
するとおばあさんは可愛らしくクスッと笑うと言った。
「えぇもちろん··あなたは本当に可愛い娘さんね、お名前を伺ってもよろしいかしら?」
美咲「いいえ、そんな全然です··名前は岡本 美咲と言います」
「そう、美咲さんって言うのね··いいお名前」
美咲「いえ、そんな··普通の名前です···」
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