君へ贈るスカーレット

紬は勉強を終えるとお店の外の掃き掃除を始めた。
円山家は店が1階にあり､2階に居住スペースがある間取りだ。
掃き掃除を終えると母に呼ばれ2階の居間に行きマスターお手製の朝食を食べた。

開店時間の10分前､紬が店内の窓を磨いていると裏口から元気な声が聞こえてきた。
「おはようございます!」
母「ケンちゃんおはよう､今日も朝から元気ねぇ」
彼はスカーレット商店街の八百屋さん
安田青果店の長男､安田 健太郎君(18歳)
彼は高校を卒業と同時に実家の青果店を継いだので安田青果店の二代目になる。

安田青果店の店主と喫茶店コパンの主人は昔馴染みでコパンは開業当初から新鮮な野菜や果物を安田青果店から仕入れている。
その配達を最近では跡継ぎのケンちゃんが担当しているらしい。