君へ贈るスカーレット
空翠先生はいつも着物姿で作品の執筆中は
いつもコパンに来て開店時間から閉店時間までコーヒーのみ注文して、
お気に入りの席(お店の一番奥の窓際の席)に座って原稿用紙にかじりついている。
〆切間近になると出版社の担当の人が来て、原稿を受け取りに来る。

空翠先生は決まって原稿を書き終えた後にホットサンドを頼むのだが、先生曰く原稿を書き終えた後の、余韻に浸りながら食べるホットサンドは格別でそのタイミングで食べるホットサンドがとても好きなようだった。
空翠先生が入って来てから10分くらいすると少しずつお客さんが入って来た。

空翠先生は何に対しても自分の中でこだわりがあり、そのこだわりを一番に大切にしているので、お気に入りの席が確実に確保できる開店時間前にはお店の外で待っている程の徹底ぶりだった。
コーヒーの香りが好きでコーヒーはブレンドコーヒーをいつも頼み必ずブラックで飲んでいる。
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