君へ贈るスカーレット
紬が顔を上げその男を見ると、
黒い背広に派手なスーツ、真っ黒なサングラスと金色の装飾品を身にまとった明らかにカタギではない風貌の大男だった。
紬が驚いていると男は大声で言った。
「この新品なシャツにコーヒーぶちまけるなんざ、いい度胸してんな姉ちゃん!!」
紬「いや、私は何も··」
男「あぁん?!しらばっくれる気かぁ?!」
よく見ると襟元にほんの少しだけコーヒーがかかった跡が見えた。
紬「あっ··えぇっと違います!ごめんなさい!私が前見てなかったから」
男「クリーニング代の50万払ってもらおうか··」
紬「50万?!無理です!そんな大金払えません!」

男は急に紬をジロジロ見回すと言った。
男「良く見たら姉ちゃん、可愛ええ顔しとるやん!ちょっとウチの事務所来てもらおうか」
紬「えっ?!」
すると男は紬の腕を掴み強引に連れ去ろうとした、紬はどうにか逃げようとするが男の力に勝てるわけがなかった。
自分はこれからどうなるのか恐くて涙が込み上げてきた。
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