君へ贈るスカーレット

まだ夏の暑さが残る9月の初め､まとまった休みを取った私はどうにか関係を修復しようと久しぶりに涼介とデートに行った。
今日こそ､涼介に今までのことをちゃんと
謝ろう､そして自分の気持ちを彼に伝えよう···
そう思っていたのに···。

映画を楽しんだ後私の要望で喫茶コパンに入った。
入り口側の景色が見える窓際の席に座って私はケーキセット､
涼介はクリームソーダを注文した。

美咲「映画久しぶりに面白かったね！」
と笑顔で映画のパンフレットを嬉しそうに眺める美咲とは対照的に冷めた態度で
涼介は言った。
「は?どこが?」
美咲「どこがって··クライマックスのシーンなんて大どんでん返しで最高だったじゃん!」
涼介「ふーん」とまたも気のない返事が返ってきた。
美咲「涼介··何か怒ってる?」
涼介は表情ひとつ変えず
つまらなそうに答えた。
涼介「べつにー?」
するとそこにケーキセットとクリームソーダが運ばれてきた。
涼介は涼しい顔でストローをさしクリームソーダを一口飲んだ､