君へ贈るスカーレット
目の前のドロドロに溶けたクリームソーダと無造作に置かれた380円が無性に腹ただしく感じ、虚しかった。

涼介に裏切られたことより··嘘をつかれたことの方が悲しかった··。
私は何でも涼介に話してたのに··ココ最近の涼介は何も話してくれなくなっていた··その時点で私に対しての愛情が薄れていることに気づいていたけど··そんなものは直ぐに修復できると甘んじていた···
(他に好きな人が出来たなら素直にそう言って欲しかった··それを彼は私のせいにして··最近仕事優先でデートをドタキャンしたのは確かだけど··でもそれの何が悪いんだろう··)

涼介はどちらかというと寂しがり屋のかまってちゃんだった··最初の頃は、それが嬉しくて彼の要望に応えていたのだけれど··
最近仕事で自分のアイディアが採用されて企画の責任者となり、朝から晩まで仕事のことで頭がいっぱいで涼介の要望に応えることも出来なくなっていた。
きっとその間にも涼介はあの女の子と会っていたのだろう··その証拠に
仕事の合間に会おうとしても
『友達ん家にいるから行かない』とかで断られることも少なくなかった、私たちは完全にすれ違いが多くなって二人でゆっくり話すこともなくなった。
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