ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。
「もう織くん、この際告白したらどう!そもそもその子、織くんが自分のこと好きだなんて思っていないんじゃないかな。もっと、アピールしなきゃ!」
同じ学校の子、ということであれば、相手も一般人。
この国宝級イケメンに好かれているかもなんて、普通に生活していたら思わないかも。
「アピール……」
「うん!織くんみたいなパーフェクトスーパーボーイが自分のこと好きなんて、女の子にとっては夢のまた夢見たいな話だし、ちゃんと織くんの口から織くんの気持ちを───」
「…………好き、」
「っ、」
っ?!
へっ……。
織くんが紡いだ声に驚きすぎて顔を上げれば、バチッと、視線がぶつかって。
そのキャラメル色の瞳に全てを持っていかれそうになる。
普段聞くよりも少し低くて掠れた声に、ドクンと心臓が飛び上がった。
織くん、今……。
「……あの、織く───わっ!」
沈黙のまま見つめ合っているのが耐えられなくて名前を呼んだ瞬間、
いきなりバフッとタオルで視界を塞がれた。