ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。
ポタ、ポタッ、と、足元のアスファルトに雨粒が落ちてきて。
え。
顔を上げて空を見れば、さっきまで晴れていたはずの空に、雨雲が広がっていた。
こ、これは……。
今日、雨降るなんて聞いてないよ……。
スマホのお天気アプリでは今日一日晴れだったのに!!
「白井さん、急ごう!」
織くんの声に頷いて、小走りで柳瀬家に向かおうとした瞬間。
どんどんと雨脚が強まって。
ええええ!!嘘でしょ!!
家の玄関に着いたときには、私も織くんも着ていた服の色が変わってかなり濡れていた。
「……織くんっ、プレゼント大丈夫?」
「うん。こっちは全然大丈夫。二重にしてたから」
「はっ、そっか……よかった」
「それよりも白井さん、早く乾かさなきゃ」
「や、私は全然……えっ、あっ、」
慌てた織くんに突然、手を引かれながら、リビングへと向かった。
ちょ!!織くん!!手っ!!