ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。
「ん?白井さん、俺の髪乾かしてくれるんじゃないの?」
彼の方を向いたまま一時停止してる私を織くんが不思議そうに見る。
「……へっ、あっ、やっ、と思ったんですけど、この神聖なサラサラヘアに私が触れるのはいかがなものかと……」
タオル越しだとはいえ、織くんの髪に触れるなんて、それこそお金を払わないといけないんじゃないか。
「……いいよ」
「えっ、」
「白井さんに、乾かしてほしい」
なーーーー!!
濡れ髪織くん。
よく見たら、いつもより色気増し増しで。
水も滴るなんとやら。
えん……カッコいいよぉ。
織くんは、私の手首を優しく掴まえると、その手を頭に乗ったタオルの上に置いた。
うわぁ……。
織くんの髪に触れちゃってるよ、私……。
これは……もうやるしかないじゃない!!
「し、し、失礼しますっ」
「ふっ、お願いします」
織くんの髪は私に比べると短いから乾くのが断然速くて。
みるみるうちにサラサラになっていく。