ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。
推しとの休日は映画鑑賞会です
「……えぇ、織くん……これってホラー、だよね?」
「んーどうだろう」
と明らかに笑みを含んだ声で言うから。
織くん、ワルい!
愛菜さんの誕生日会を無事に終えた翌日の日曜日。
私は今、織くんとふたり、リビングのソファの正面にあるテレビ画面をジッと見ている。
織くんが前から気になっていた映画が動画配信サービスで見られるようになったらしくて。
昨日の手作りケーキやお菓子が余っているので、それを消費しながら映画鑑賞でもしようということになったのだ。
愛菜さんは、お友達が1日遅れで誕生日をお祝いしたいと言ってくれたと、今は外に食事に出かけている。
なので今、私と織くんは広い柳瀬家でふたりきり。
この方が雰囲気でるから、と言ってリビングのカーテンを閉めた織くんだけど……。
ホラー映画を薄暗い部屋で見るって絶対やったらダメなやつだから!!