ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。
あれからなんとか無事、ホラー映画を見終えることができ。
怖がり疲れてソファに項垂れながら紅茶を一気飲みする。
こういうおしゃれな飲み物は少しずつ飲むから品があっていいのに……。ダメだこりゃ。
でも……正直……。
「……楽しかった」
「え、そう?」
驚いたような声を出した織くんの方を向いて口を開く。
「うん。今までずっとホラーって苦手と思ってずっと避けてたんだけど。小さい頃に見たのがすごくトラウマで。あ、でも、今回のは、内容がしっかりしてたからか……登場人物の掛け合いとか笑えるところもあったし。はっ、あとは、織くんがそばにいてくれたからかも。怖かったのに、見終わったあと、ちょっと爽やかというか!」
自分の中の新しい感情に戸惑いながらも嬉しくなる。
苦手と思っていたものを克服できて楽しめたときの喜び。
なんかこの感覚、少し前にも味わったことがある気がする。
なんだったかは忘れたけれど。