ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。


「よかった。じゃあ今度は映画館で一緒に観よう」


「それは無理です!あんな巨大スクリーンで絶対無理です!織くんイジワルっ!!」


「ふはっ、冗談だよ。じゃあ今度は白井さんが見たいもの観よう」


「えっ、いいの?」


織くんからの提案に、すぐに気分が良くなる。ちょろすぎるぜ私。


でも、いいのかな。私が見たいものに織くんを付き合わせるなんて。


「白井さんがどんなもの好きなのか知りたい」


まるで私の気持ちが読めたみたいにそういうから、織くんに貢ぎたい欲が止まらない。


いい人すぎやしないか!!


私は織くんのお言葉に甘えて、配信されている中で自分が気になっている作品を探した。


「あっ、これ……」


目に止まったのは、恋愛ものの邦画。


たしかしゅーちゃんが見てめちゃくちゃ良いって話していたやつだ。


「ん?これ気になる?」


「うん。友達が面白かったって言ってて」


「そっか。じゃあこれにしよ」


織くんがそう言って、さっさく再生ボタンを押した。

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