ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。
画面の向こうでは、女の人が甘い声を漏らし続けている。
『もっと』とか『イヤ』とか。
どっちだよ、なんて内心ツッコミたくなる。
……もう、限界だっ!!
私は、織くんの前に置かれていたテレビのリモコンを手にとって、テレビの電源を消した。
「……」
「……」
あんなシーンをなんとも思わずに人と見るなんて、今の私には難易度が高すぎる。
「白井さん……どうしたの?」
「いや、そのっ……」
画面が真っ暗になり、女の人の甘ったるい声が聞こえなくなったのは良いものの、あんなシーンで消したら明らかに意識してましたと言っているようなもの。
なんて誤魔化そうかと考えれば考えるほど、なぜかさっきの生々しいシーンが脳裏に蘇って、顔に熱が集まる。