ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。


「もしかして、今のシーン、恥ずかしかった?」


「……っ、え、やっ、その、」


「ああいうの見るのはじめて?」


織くんの距離がグッと少し縮まったような感じがするのは気のせいだろうか。


「……はじめてでは、ないけど、人と、見るのはあんまり、慣れてなくて、」


「へー、……じゃあひとりで見るってこと?」


「なっ!!そそそういう意味ではなくて!!」


ひとりで見るけど!!(見るのかよ)


「意識しちゃったってことだ」


「……っ?!」


織くんの手が伸びてきて、私の頬に優しく触れる。


その手が熱を持ってるように感じるのは私の顔が熱いせいなのか、それとも織くんのものなのか。


もう何が何だかわからない。


心臓がバクバクうるさくておかしくて。


「……それとも、変な気分になったとか」


「へっ?!」


彼の整った顔が、さらにこちらに接近してきて。頬を親指で優しく撫でられる。

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