ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。
現時点でお互いに恋人がいるわけじゃない。うん。
だから、この触れ合いが浮気になるわけでもない。
そう考えると、別に悪いことでもなんでもないんじゃ、なんて思う。
死因:キュン死
で今日が私の生きる最後の日になる可能性大だけど。
ぐるぐると頭で考えて。
私が練習台になって、織くんの役に立つのなら……。
私はゆっくりと頷いた。
「わ、わかった……」
「っ……ありがとう。……嬉しい」
う、嬉しいって。
たとえ練習台だとわかっていたとしても、私に触れることの許可が出てそんな言い方されたらこっちこそ嬉しくなっちゃうって。
本当に罪な男だよ織くん!!
「……あ、あ、あの、ただ、私、そういうの、何にも、わかんないから、その、お手柔らかに、お願いしますです」
「……ん」
小さく返事した織くんが、おもむろにもう一つの手を伸ばして。
私が頭まで被っていたブランケット取って、ゆっくりと髪をなでた。