ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。


「へっ……」


いきなり織くんが離れて、きょとんとしてしまう。


「ん?それとももっとしてほしい?」


優しく微笑みながら聞かれて、ブンブンと首を横に振る。


「こ、これ以上は本当に死ぬところだったから。意識が朦朧として……ははっ……織くんがAEDを持ってくることになってたよ……」


笑ってないと、本格的にどうにかなってしまいそうだから。


「ごめんね。好き勝手触ったりして。……ありがとう。付き合ってくれて」


「いや、全然!私、役に立ったかな……」


「うん。すごく。……次はやめられそうにないけど」


「えっ?」


「そろそろ愛菜さん帰って来ると思うし。夕飯の準備、しよっか」


そう言って、私をソファから起こしてくれた織くんは何事もなかったかのようにキッチンへと向かったけど。


私のこの胸のドキドキは全然収まってくれなくて。


それに、……次、って、なに??

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