ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。
『っ、まじか!』
俺の心の声も、その友人と同じ反応だった。
だって俺の志望校と同じだったから。
俺は今まさに、そこに受かるための勉強を今ここでしているんだ。
もし、俺も彼女も受かったら同じ高校に通うのか、同じクラスになったりするのかなって。
そう考えると少し胸がドキドキしている自分がいて。ちょっと楽しみかも、なんて思って。
『……今の成績のままじゃ厳しいけど、今から頑張ってみたい。……ずっと広夢と同じ葉凌受けるつもりだったから。広夢のこと忘れる勢いで勉強頑張ろって!さすがに、新しい恋とかは考えられないからさ』
『おぉ!おぉ!偉いぞ初花!かっけーよ!私、全力で応援する!そうだそうだ!』
彼女の友人はそう言って彼女を盛大に褒めて応援する。
そして、俺も。
頑張って一緒に合格しよう、なんて心の中で勝手にエールを送った。
同じ学校の制服を着て、水霧高校の校舎で、彼女に会ってみたい、なんて。
ここまでは、ただの興味本位だったと思う。