ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。

「私もふたり見て泣いちゃったし。私も、今、息子と離れるなんて考えられないから……お母さんの気持ちもよく分かるのよ。案外、親の方が子離れできないものよ」


「そうなんですかね……」


って。


え？


ちょっと待って？


今、愛菜さん、息子って言った？


「あ、あの、愛菜さん、今、息子さんって……」


「え、そうよ。あらっ、もしかして明子さんから聞いていなかった？うち子供と2人暮らしだって」


「あ、いえ、お子さんがいるのは聞いていたんですけど、てっきり……その、」


女の子だと思ってた。
だって、私だって一応、年頃の女の子だし。


同い年の『男の子』と一緒に住むなんて、ママが許可するなんて思わないし。


「ごめなさい。女の子だと、思った？」


「あ、はいっ、だからちょっとびっくりしたと言うか、でも、あの、全然、大丈夫ですっ！会うのが楽しみです！」


私がそういえば、愛菜さんはほっとした表情を見せてくれた。