ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。
『あらそう……よかったね!』
『うん!輝ちゃん、私、全然損してないよっ』
『……なんだ、聞いてたんか』
『へへ。もし今日ここでいつも通りてりやきバーガーがきてたら、私、多分一生フィッシュバーガーのこの美味しさに気づけなかった!一生食べないままだったかも。そんなのそれこそ損してる。だからむしろ私は今、めちゃくちゃ得してる!』
彼女のその言葉が衝撃的で。
なんだか俺はすごく胸が熱くなって。
純粋に、ものすごく素敵だって思った。
そんなふうに考えられたら、どれだけ人生が楽しくなるだろう。
『ふはっ、初花らしいね。失恋して負のオーラ出しまくったと思ったら、美味しいもん食べた瞬間、スーパーポジティブ発言するんだもん』
『え、そうかな?』
へへへ、と照れたように笑った白井さんの頬が少し赤くなってて可愛くて。