ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。


『うん。そうだよ。一緒にいると元気になる。……じゃああれだね。初花が広夢くんと結ばれなかったのは、これから出会う運命の人と結ばれるためなのかもね』


『えっ……なにそれ輝ちゃん……どゆこと』


白井さんは少し眉を寄せて身を乗り出す。


『え。自分で言い出してなんでわからないんだ。だから、もし、今、仮に、初花が広夢くんと結ばれたんだとしたら、未来に出会うはずのもっともーーっと素敵な運命の王子さまを知らないままかもってことよ』


『はっ、なるほど……広夢がてりやきバーガーで、私の未来の運命の王子さまがフィッシュバーガー』


え、なんだ、そのちょっと変な例え、なんて心の中でツッコミながら、さらに彼女たちの話に耳を向ける。


『そうそう。その時失敗だと思ったことも、もしかしたら、時間が経って振り返ったとき、あれでよかったんだって、むしろそれがなかったらこの幸せはないんだ!っていつか思えるかもしれない、そういうことでしょ?』
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