ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。
それから、1年が経ち。
高校2年の秋。
愛菜さんから、職場の同期の方が出張するため、その方の娘さんを出張が終わるまでの3ヶ月間、うちで見たいという話をされて。
その名前を聞いた時の衝撃を今でもよく覚えている。
『白井 明子さんっていう方で。娘は初花ちゃんっていうんだけど、織、知ってる?』
『えっ……』
笑われるかもしれないけど……。
運命だ、って思った。
あの日、ハンバーガーを食べながら白井さんたちがしていた話が思い出されて、頭の中で一気に再生されて。
このチャンスを、絶対に逃しちゃいけないって思った。
この同居をきっかけに、俺を少しでも、『推し』なんてものじゃなくて『異性』として意識してもらえるならって。
でも……。