ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。
推しとの同居がバレました


柳瀬家にお世話になって約1ヶ月が経ち。
秋も深まってきた、10月中旬。


空気が澄んで過ごしやすい季節とは裏腹に、最悪な事態は突然やってきた。


登校時、いつものように、大通りに出てから織くんと距離を離して学校に着くと。


何やらすごいあちこちから人の視線を感じた。


織くんちで同居してまだ数日しか経っていなかったとき、私と織くんがふたりきりで出かけていたのが目撃されて、付き合っているんじゃないかと噂されたあの日みたいな。


え、もしかしてまた織くんといるところ見られちゃったとか?!


いや、でも、織くんと外に出かけたのなんて、愛菜さんの誕生日プレゼントを買いに行ったのが最後だし。


最近は、愛菜さんが残業で遅くなって買い物に行かないといけないときも織くんひとりだけ行くようになった。


身に覚えがまるでない。


もしかしたら私の勘違いかもしれない、うん。そうだ。


そう自分に言い聞かせながら、私は教室へと向かった。

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