ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。


めぐちゃんに腕を引かれ階段の踊り場につれていかれて。


顔の前にドンと見せられたのはスマホ画面。そこに映った光景に目を開く。


……え。なに、これ。


そこには、私と織くんが柳瀬家の玄関の前に立っている姿が写っていた。


織くんがドアに手をかけて家に入ろうとしているのがうかがえる。


確かこれは……。


私と織くんが着ている服を見て、先週の土曜日に織くんと一緒に庭の掃除を軽く一緒にしたのを思い出す。


これは、その掃除が終わって、家の中に帰ろうとしているところだ。


な、なんで、こんな写真がめぐちゃんのスマホの中に入っているんだ。


「あの、これは……」


自分の顔から血の気が引いていくのを感じる。


「これ今、うちの学校の生徒中心にSNSで拡散されてるのよ!」


「えっ?!」


SNSって、拡散って……なにそれ。
誰がなんのために、こんな写真を。

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