ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。
それにしても……織くんの腕の中、すごく温かかったな……。
それに……。
織くんの心臓の音。
めちゃくちゃ速くなっていた気がする。
トクントクントクンって。
織くんでも、緊張しちゃうのかってちょっと嬉しくなったりして。
推しの腕の中なんて興奮して落ち着けなくなるはずなのに、不思議とそんなことなくて。
状況が状況ではあったけど。
いーや!!それでも!!
あぁ、私ったら、織くんが近くにいることにまさか慣れてしまってる?!
美人は3日で飽きるなんて恐ろしい言葉があるけれど。
嫌だよそんなの!織くんに飽きてしまう未来なんて!
断じてあってはいけない!お前は今日あの織くんに抱きしめられてしまったんだぞ!白井初花!!
目を覚ませ!!
自分にそう言い聞かせながら、湯船に頭のてっぺんまでじゃぽんと浸かった。