ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。
「お、織くんが、探してくれて……」
ギュッと拳を握って。
怖くて声が震えそうになりながらも、正直に昨日あったことを話す。
あなたたちのせいで、織くんにまで迷惑をかけたんだってこと、ちゃんと知らせなきゃ。
と思ったのに……。
「うっわ、なに。もしかして、織くんに泣きついたの?」
「地味な顔してよくやるね〜」
まさかそんな風に受け取られるとは。
まあその……泣きついたとまでは言わないけど、ちょっとは甘えてしまったところはあるかもしれない。
最後は織くんのあまりの優しさが沁みて泣いてしまったし。
それは、反省する。
でも……。
「それはっ、あなたたちが隠したりなんかしなければっ!」
勇気を出して反論すれば、キッと睨まれてしまい。思わず口をつぐんだ。
「勘違いしないでくれる?うちら、隠したんじゃなくて、捨てたんだけど」
「……えっ?」
「外のゴミ置き場にね」
はい?
確か織くんは、体育館の靴箱で見つけたって……。