ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。
推しが隣で寝息を立てています
『じゃあね、初花』


ん?


ぼやけて見えるシルエットが話している。
ママだ。


『うん。三ヶ月後にね!』


ママの声にそう明るく返事をすると。


『え?……3ヶ月後?』


困惑したような声が返ってきた。
どうしたんだろう。


『3ヶ月でしょ?ママの出張。それが終わったら帰ってき───』


『何言ってるの。ママはもう、あの家には帰らないわよ』


『え……?』


心臓がバクバクと音立てたと同時に急にあたりが真っ暗になる。


な、なにこれ。
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