ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。
長いまつ毛にすうっと通った綺麗な鼻筋。
毛穴なんて知らないようなきめ細かいツルツルの白い肌。
そして血色のいい薄い唇。
目を閉じていてもわかる、知っている素晴らしい顔面。
これぞパーフェクトフェイス。
このお顔をこんな至近距離で見るのなんて初めてだ。
端麗な顔が10センチあるかないかの近さにある。
こんなことって……。
この顔は……正真正銘、私の大好きな推し!
柳瀬 織くんじゃあ、ありませんか!
え。なんで?!なんで織くんが私の横ですやすやと寝ているの?!
まったくもって意味が分からない。
死んだ?私、死んだの?
最悪な夢を見て、それで……あぁ、そうか、わかったぞ。
これも夢か!
怖かった夢を幸せな推しの夢で上書きしようと私の脳は今、賢明に働いているんだ。
素晴らしい、でかした白井初花の脳。
この夢、一生覚めないでもらいたい。