ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。


「さっき帰ってきて。愛菜さんに、白井さんに挨拶するように言われたから来たんだけど、ドア開けたまま、白井さん寝てたから。泣きながら」


「……なっ」


「ほっとけなくて」


織くんって、愛菜さんのこと名前呼びなんだ……。素敵……。


って、そんなことよりも!!


ママに捨てられる怖い夢を見てしまって、私泣いていたのかっ!最悪だ。


推しにブサイクな泣き寝顔を見られてしまうなんて。


「す、すみません、すみませんっ、お恥ずかしいところを……」


とベッドの上で頭を下げる。


ていうか!!


私が泣いてたから、織くん私の隣に寝ていたっていうこと?!


「……私が泣いてたから、そばにいたの……ですか、」


「うん。ごめんね。つい」


「つ、ついって!絶対やめた方がいいですよ!!いくら泣いてたからってよく知りもしない人と同じベッドで寝るって!!こっちの心臓に悪いからっ!!死人が出ます!!」


とさらに距離を取りながら。
あと数ミリで、きっとベッドから落ちてしまいそう。

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