ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。
「だっ、ご、ごめんなさい、すみません、ごめんなさいっっ!!」
光の速度でベッドから床に着地して。
そのままフローリングに額をつけて全力で謝る。
「ちょ、白井さんなにして……」
死んでしまいたい。
織くんにバレていたなんて。
そりゃ、見つけたら食い入るように見てきたけど。
それは、全クラスの女子がそうだと言っても過言ではなくて。
私みたいな影の薄い人間なんて、漫画で言ったらのっぺらぼうで描かれる側で。
だから……彼に認知されるわけがないと思っていたのに。
「白井さん、顔あげて。なんで謝るの」
そんな穏やかな声が頭の上からする。
「だって……不快に思われるぐらい見すぎてたってことで。そりゃ、私たちまともに話したこともないわけだし、だから、その」
「違うよ。どんな子なんだろうって俺も気になってたから」
「えっ」
予想外のセリフが推しの口から飛び出した気がして、思わず顔をあげる。