ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。
「な、織くん?!」
まさかの登場に声がうわずって、思わず立ち上がる。
クリーム色のシンプルなスエット姿なのに。
彼が着ると、ものすっごくカッコいい。
キャラメル色の髪の毛がまだ湿っていて色気ダダ漏れだ。
お風呂上がりの男子ってただでさえ興奮するのに!!
お風呂上がり×織くんって!!
どこまで私の心臓を止めかけたら気が済むんだろう。彼にはそんなつもり一切ないんだろうけど。
「勉強してた?邪魔してごめんね」
「ううん!全然!」
勉強なんて受験の時以降まともにしたことないんだから!!
今、机にノートや教科書が散乱してるのは、単純に部屋の片付けがまだ終わっていない証拠で。
だらしのないところがさっそくバレてしまい、急いで机に広がっていたものを一箇所にまとめる。
「織くん、どどどうしたのっ!!」
「あ、うん。これ、いるかなって」
そう言って、織くんは持っていたものを私に差し出してきた。