ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。
ああいうこっちとは全然生きてる次元が違うようなカッコいい人は、テレビや雑誌の中で見るみたいに遠くから見ている方が一番なのにな、と思う。
相手が織くんのようなバチバチにカッコいいイケメンじゃないとしても。
報われない恋って辛いはずなのに。
誰かに恋愛感情を持つことを、漫画や映画の世界では美しく煌びやかに描かれるけど。
現実はそうじゃない。
もっと苦しくて、わけもなくムカついて。
そんな自分をいちばん呪ってしまうんだから。
しないほうがマシ。
あんなに苦しい思いはもうしたくない。
中学の思い出が蘇る。
私には、同じマンションの同じ階にする同級生の幼なじみがいて。
小さい頃から良くお互いの家を行き来するぐらい家族ぐるみでも仲が良くて。
運動ができて爽やかで。
そんな彼───。
広夢に恋心を抱くのは自然なことだったと思う。
でも。
中学2年のころ───。
『学校であんま俺に話しかけないで』