ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。
な、今の……なに。
すぐに朝ごはんの話をしてきたからとっさに答えたけど。
さっき織くん、私のこと……。
『本気で、白井さんのことかわいいって思ってるから』
あんまりにも真剣な顔で言うんだもん。びっくりした。
……ほ、本気って、どういうこと……。
え、織くんってもしかして、私のこと、……好き、とか?ハハハ。
いやいやいくら冗談でも妄想でも、そんなこと思ったら国に殺される。やめよう。
織くんが私を好きなんてそんなこと、アリが地球を持ち上げるぐらいありえない。
何度もそう考えるのに。
『本気』
織くんのそう言ったときの表情がしっかり脳裏に焼き付いて離れない。
寝癖を直して顔を洗い、朝ごはんのためにテーブル椅子に座っても、
心拍数は上がりっぱなしで。