ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。
とりあえず、なんとか危ない状況を免れることができてよかったけど……。
さすが天然織くん。
さっき、私と同居してること、みんなに言いそうになってたよね。
ちゃんと言っとかなくちゃ。
*
時刻はただいま夕方6時。
昨日、今日のおやつにと愛菜さんが作ってくれたプリンを食べながら、部屋で授業の復習を終えて伸びをしていたときだった。
コンコンッ
「はいっ」
部屋のドアをノックする音が聞こえて返事をすれば、ガチャっとすぐに音がした。
今、愛菜さんは仕事中。
このドアを叩くのはひとりしかいない。
制服から普段着に着替えた織くんがひょこっと扉から顔を出していた。
だはっ……なに着てもなにやってもカッコいいんだからまったく!!
「……白井さん、」
「は、はいっ!」
織くんに名前を呼ばれると、自然と起立してしまう体になってしまった。
「ちょっと、付き合ってくれるかな」
「えっ……」