ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。


「一緒に住んでるのは俺と白井さんで、それに他人がどうこう思うのは変じゃない?」


「いや、まぁ、そうなんだけど、」


世の中、そういう考えじゃない人がたくさんいるんだよ、織くん。


もし同居してることがバレちゃったら、


なんであの芋女が、とか、織くんとは不釣り合いだとか、きっと色々思われちゃうしコソコソ言われちゃうに決まってる。


コソコソならまだいい。直接危害を加えられたりなんかしちゃあ、あたしゃ本格的に学校に行けなくなっちゃう。


だから……。


「織くんが思ってるよりも、織くんはすごい影響力ある人なの。そんな人の隣に私みたいな冴えない人間がいちゃ絶対よく思われないから……それが、ちょっと、怖い、かな」


目を逸らして歩きながら呟いていると。


突然、肩を優しく掴まれて。
足が止まった。


しっかりと視線がぶつかって。
その瞳に囚われたら、簡単にそらすことができなくなる。

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