ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。


「お、織くん……?」


「白井さんを傷つける人が誰であっても、俺が許さないから。俺がちゃんと、守るよ」


「……っ、」


なっ。


なんでそんなこと言ってくれるの織くん。
そんなこと、推しに言われちゃこの心臓がまたうるさく鳴りはじめるよ。


胸がバクバクとうるさい。
もしや、この外の静けさのせいで聞こえてますか。


ダメだダメだ。


自分だけに特別なんじゃないかと錯覚してしまいそうになる。


私が織くんと住めたのは偶然のなにものでもなくて。


もし織くんファンの別の子が私と同じ状況になっていたら、やはり羨ましいし、抜け駆けじゃんと思ってしまう。


お願いだから、これ以上ときめいちゃうことをサラッと言わないでほしい。


存在してるだけで、織くんはトキメキフェロモン大放出なんだから。

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