ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。
「……でも、よかった」
「へ?」
「……白井さんに、嫌われたのかと思ったから」
「な、嫌うわけないよ……ありえない」
まさか、織くんがそんなことを思っていたなんて。
織くんを嫌うことなんて絶対にないけれど、それでも、もし仮に私みたいなのに嫌われたとしても織くんにとっては痛くも痒くもないことだと思っていたから。
どうでもいいことだろうというか。
まぁ、織くんを嫌うことなんてほんと500%ないんですけどね!!
そんなことを織くんが心配していたのかと思うと、申し訳ないのと同時にものすごく嬉しくなってしまって。
緩む口元に必死に力を入れる。
「ありがとう。それ聞けて安心した。でも、白井さん困らせることはしたくないから、学校の人たちには話さないようにする」
「織くん……こちらこそありがとうだよ!!すっごく助かる……はあ、どんどん好きになっちゃって困っちゃうな……」
なんて感謝と嬉しさでニコニコしながら、思わず心の声を漏らしてしまったら、
一瞬、目の前の整った顔の目が見開いた。