ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。
あれから無事にスーパーで夕飯の買い出しを終えて。
夜道を2人で並んで歩く。
ヒュッと吹いた風が肌寒くて、いよいよ本格的に秋がやってくるのを感じる。
「ねぇ、白井さん」
「はいっ」
推しに優しく名前を呼ばれることに少しずつ慣れつつあるのがちょっぴり怖い。
相変わらず、過剰に大きく返事をしてしまうのだけど。
「ちょっと、寄り道してもいい?」
その整った顔が、ほんのり無邪気な表情を見せながら、先に見えるコンビニを指さすから。
また新しい織くんが見られてしまった!!眼福!!と心の中で叫びながら。
「うんっ」と強く頷いた。
「いらっしゃいませー」
店員さんの声と聴き慣れた店内BGM。
計算を終えたお客さん2人が私たちと入れ違いでお店を出て行って、
店内には今、私たちを含めてお客さんが3人。
店員さんは、私たちと同世代ぐらいの男の子がレジにひとりと商品棚の方に1人。