ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。
「……また来たらいいよ。明日でも明後日でも。3ヶ月は、白井さんずっとうちにいるんだから」
「っ、織くん……」
私の発言を『気持ち悪い』なんて言わないでそんな風に言ってくれるの、織くんだけだよ。
いやきっと心の中では気持ち悪いとか思ってるかもしれないけど。
それでも、『また来たらいいよ』って。
泣いてしまう。
「いっ、いただきますっ」
「どうぞ」
パクっと一口かじれば、ふわっと湯気が見えて。
皮のもちもち食感と甘み、お肉のジューシーさが口いっぱいに広がって。
今まで食べてきた肉まんの100億倍美味しい。
そんな風に思った時だった。
『初花の方が絶対おっきいだろ!』
『そんなことないっ!平等だよ平等!』
思い出してしまった。
広夢と、2人で肉まんを分けて食べていた日々を。