先輩。教えてあげる


私の抵抗も虚しく無力化し、あっという間にされるがまま。


片方の手に指を絡められたかと思えばもう片方の腕に抱き締められ、その温かさに警戒心が溶かされていく。


溶けきった頃に腕から解放され、そしたら今度は彼のものであるという赤い印を次々と付けられていった。


彼の息が耳にかかったときなんか、意図せずびくりと身体が反応してしまったのと変な声が出てしまったのとで、顔が赤く染まってしまって……。


それもまたサディストである彼の嗜虐心を煽ってしまったらしいけども。


私は既にキャパオーバー状態だ。


「も、だめ……」

「先輩、可愛いね。まだキスもしてないのに」

「また今度にしよ……?」

「なに言っちゃってるの。そんなの許すわけないでしょ」

「……んっ」


たくさん甘やかされて、もういいって言いたくなるほどの愛を伝えられたはずなのだけど。


それでもまだ足りないと、柔らかく温かな愛を次々と私の唇へと重ねる。


逃げようと顔をそらせばぐいっと引き寄せられ、何事もなかったかのように続いた。


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