キミに一条の幸福を
だが、それから徐々に雨足が弱まり傘を必要としないほどの小雨になる。
「!」
すると突然晴樹が軒下から飛び出て行った。
「え? 晴樹?」
芽衣子は何事かと晴樹を追いかける。
晴樹は街を見渡せる場所に来ていた。
街の高台にある神社。
晴れた日なら見晴らしもよく、すがすがしい気分になれたかもしれない。
だが今はまだ小雨がぱらつく雲が頭上に広がっていた。
こんな天気の日に何を見たいと言うのか……。
「ちょっと晴樹、いったい何を――」
「あった」
「え?」
何を見たいのか。
何をしようとしているのか。
それを問おうとした言葉を遮り、晴樹は右手を前に伸ばして何かを指差した。
「ほら、あれ見ろよ」
晴樹の言葉に顔を上げ指し示す方を見る。
「――っ!」
息を……呑んだ。
「!」
すると突然晴樹が軒下から飛び出て行った。
「え? 晴樹?」
芽衣子は何事かと晴樹を追いかける。
晴樹は街を見渡せる場所に来ていた。
街の高台にある神社。
晴れた日なら見晴らしもよく、すがすがしい気分になれたかもしれない。
だが今はまだ小雨がぱらつく雲が頭上に広がっていた。
こんな天気の日に何を見たいと言うのか……。
「ちょっと晴樹、いったい何を――」
「あった」
「え?」
何を見たいのか。
何をしようとしているのか。
それを問おうとした言葉を遮り、晴樹は右手を前に伸ばして何かを指差した。
「ほら、あれ見ろよ」
晴樹の言葉に顔を上げ指し示す方を見る。
「――っ!」
息を……呑んだ。