エリート脳外科医は政略妻に愛の証を刻み込む
結婚指輪の上に重ねてはめて、幸せそうに頬を染めている。
雅樹は気持ちの高ぶりのままに友里を引き寄せると、先ほどよりも強い力で抱きしめた。
すると、突き放すように友里に胸を押され、体を離された。
「友里……?」
驚く雅樹に、友里が意味ありげな笑みを浮かべて注意する。
「駄目です。お腹を潰したら」
「どうし――」
どうしてかと問う前に、雅樹はハッとした。
「まさか……」
友里が大事そうに自分のお腹に両手を当て、頷いた。
「そうです。今日のお祝いはふたつあるんです。ひとつは結婚半年記念と、もうひとつは、この子たち」
「妊娠したのか! ヤッタ……ん?」
妊娠は想定内。
離婚回避のためにも、密かに子供が授かることを願っていたので、これまであえて避妊しなかったのだ。
けれども、子供の複数形には首を捻る。
「この子たち?」
「双子ですって。今、妊娠四週目で、赤ちゃんの入っている袋しか見えないんですけど、それがふたつあるそうです」
「双子! そうか。喜びが二倍だな」
まだ少しも膨らんでいない友里のお腹を見て、雅樹は新しいふたつの命を想像する。
雅樹は気持ちの高ぶりのままに友里を引き寄せると、先ほどよりも強い力で抱きしめた。
すると、突き放すように友里に胸を押され、体を離された。
「友里……?」
驚く雅樹に、友里が意味ありげな笑みを浮かべて注意する。
「駄目です。お腹を潰したら」
「どうし――」
どうしてかと問う前に、雅樹はハッとした。
「まさか……」
友里が大事そうに自分のお腹に両手を当て、頷いた。
「そうです。今日のお祝いはふたつあるんです。ひとつは結婚半年記念と、もうひとつは、この子たち」
「妊娠したのか! ヤッタ……ん?」
妊娠は想定内。
離婚回避のためにも、密かに子供が授かることを願っていたので、これまであえて避妊しなかったのだ。
けれども、子供の複数形には首を捻る。
「この子たち?」
「双子ですって。今、妊娠四週目で、赤ちゃんの入っている袋しか見えないんですけど、それがふたつあるそうです」
「双子! そうか。喜びが二倍だな」
まだ少しも膨らんでいない友里のお腹を見て、雅樹は新しいふたつの命を想像する。