エリート脳外科医は政略妻に愛の証を刻み込む
ナースステーション内を見回しつつ、「あの、さっきのことは……」とバツが悪そうにしている彼女に、友里は首を横に振った。
「山内さんは悪くないですよ。気にしないでください。私も気にしないようにしますから」
対立しているわけではないが、友里と看護師たちの板挟みにしてしまったら申し訳ないと思い、友里は少しもこたえていない風を装って微笑んで見せた。
すると山内がホッとしたように頬を緩める。
「よかったです。友里さんがサッパリしていて」
それからは、実際にパソコンを使って仕事を教わる。
(仕事は楽しい。大変そうなのは、人間関係の方。お嬢様というレッテルを剥がすには、どうすればいい? 早く仕事を覚えて、一人前のクラークになれたら、私という人間で評価してくれるのかな……)
十二時になり、昼休憩に入る。
お弁当を手に向かった先は屋上だ。
重く軋むドアを開けると、強い日差しが肌を刺す。
夏も終わりそうだとはいえ、日中は三十度越えの日もある。
今も三十度近くありそうだ。
「山内さんは悪くないですよ。気にしないでください。私も気にしないようにしますから」
対立しているわけではないが、友里と看護師たちの板挟みにしてしまったら申し訳ないと思い、友里は少しもこたえていない風を装って微笑んで見せた。
すると山内がホッとしたように頬を緩める。
「よかったです。友里さんがサッパリしていて」
それからは、実際にパソコンを使って仕事を教わる。
(仕事は楽しい。大変そうなのは、人間関係の方。お嬢様というレッテルを剥がすには、どうすればいい? 早く仕事を覚えて、一人前のクラークになれたら、私という人間で評価してくれるのかな……)
十二時になり、昼休憩に入る。
お弁当を手に向かった先は屋上だ。
重く軋むドアを開けると、強い日差しが肌を刺す。
夏も終わりそうだとはいえ、日中は三十度越えの日もある。
今も三十度近くありそうだ。