エリート脳外科医は政略妻に愛の証を刻み込む
「わー、今日も美味しそうなお弁当! 彩も綺麗だし、上手だね。お嬢様は自分で料理しないものだと思ってたけど違うんだ。あ、これって偏見? 気に障ったらごめんね」
看護師たちの棘ある『お嬢様』という言葉とは違い、真由美に言われると嫌な気分にならない。むしろ、自分を理解しようとしてくれているようで嬉しく感じる。
「いいよ。実際にそういう人も多いと思うから」
微笑んだ友里は、真由美にお弁当を差し出す。
「私は料理が好きなの。食べてもらうのも好き。食べたいおかずあったらどうぞ」
「いいの? やった! このハンバーグにする」
チーズ入りのミニハンバーグを食べた真由美が、目を輝かせた。
「美味しい! お世辞じゃなく、ほんとに、すっごく美味しい。友里、医療系よりレストランで働いた方がいいんじゃない?」
褒められて嬉しく思ったが、友里の眉尻は下がる。
「レストランはきっと、父が許してくれない。最初は、働くことさえ禁止されていたから……」
真由美はそれについて考えているような顔をした。
働かずに生活できることを羨ましがられたら、残念に思うところだが、真由美は同情的に眉を寄せた。
「不自由なんだね。私はお嬢様でなくてよかったよ」
(わかってもらえた……!)
友里の心に花が咲く。
真由美がいるから、出勤する喜びが二倍に膨らむ気がしていた。
看護師たちの棘ある『お嬢様』という言葉とは違い、真由美に言われると嫌な気分にならない。むしろ、自分を理解しようとしてくれているようで嬉しく感じる。
「いいよ。実際にそういう人も多いと思うから」
微笑んだ友里は、真由美にお弁当を差し出す。
「私は料理が好きなの。食べてもらうのも好き。食べたいおかずあったらどうぞ」
「いいの? やった! このハンバーグにする」
チーズ入りのミニハンバーグを食べた真由美が、目を輝かせた。
「美味しい! お世辞じゃなく、ほんとに、すっごく美味しい。友里、医療系よりレストランで働いた方がいいんじゃない?」
褒められて嬉しく思ったが、友里の眉尻は下がる。
「レストランはきっと、父が許してくれない。最初は、働くことさえ禁止されていたから……」
真由美はそれについて考えているような顔をした。
働かずに生活できることを羨ましがられたら、残念に思うところだが、真由美は同情的に眉を寄せた。
「不自由なんだね。私はお嬢様でなくてよかったよ」
(わかってもらえた……!)
友里の心に花が咲く。
真由美がいるから、出勤する喜びが二倍に膨らむ気がしていた。