5時からヒロイン
またまた仕事が手につかなくなってしまった。
入院しているのだから、安心していてもいいのだが、どうしたって落ち着かない。
「会いたいな」
会いたくてたまらないのだ。自分を抑えていた年月が長すぎて、もう抑制が効かなくなっている。
朝も顔を出してきて、つかの間の逢瀬を楽しんだが、すぐに会いたくなってしまった。
「俺はもうすぐ40の男だ」
いや、年齢は数字に過ぎない。
恋焦がれる相手を想い、会いたい気持ちに年齢は関係ない。
「帰っちゃうか」
沙耶が喜びそうなデザートでも買って、病院に行けば、喜んで俺に抱きついてくるだろう。
そうしたら、抱きしめてキスをすればいい。
「何を考えているんだ……胃が悪いっていうのに」
今朝、顔を出した時の可愛いこと。
仕事はきっちりと隙がなくこなす彼女が見せる、可愛い性格。素直に自分を出せるなんてなかなか出来るものじゃない。
俺はカッコつけたくて仕方がないが、彼女は気持ちの赴くままに俺にぶつかってくる。
キスをねだり、会いたいと口にする。
素直になることを年齢を重ねれば、重ねるほど「大人」が邪魔をする。
会話らしい会話をしてこなかった俺には、沙耶と密になる時間がもっと必要だ。
社長としての俺は熟知していても、個人の俺は知らない沙耶とのコミュニケーションは重要で、もっと俺という男を知ってもらいたい。
「あ~何をしてるだろう」
こうして沙耶のことばかりを考えている俺なのに、沙耶ときたら仕事は大丈夫か、部長はちゃんとやってくれているのかと、仕事と部長のことばかりを心配している。
心配されている部長が憎たらしくて、この間意地悪をしてやったら、大量に汗をかき、大慌てをする姿を見て、ほくそ笑む。
「ふん、妻子持ちなのに、部長が悪い」
しかし、こんな意地悪をして評判が悪くなっては、性悪社長の彼女という、レッテルがついてしまうのは可哀そうだ。
優しく気遣いをして、柔和な態度を見せることも忘れない。
すべては沙耶のためだ。
入院しているのだから、安心していてもいいのだが、どうしたって落ち着かない。
「会いたいな」
会いたくてたまらないのだ。自分を抑えていた年月が長すぎて、もう抑制が効かなくなっている。
朝も顔を出してきて、つかの間の逢瀬を楽しんだが、すぐに会いたくなってしまった。
「俺はもうすぐ40の男だ」
いや、年齢は数字に過ぎない。
恋焦がれる相手を想い、会いたい気持ちに年齢は関係ない。
「帰っちゃうか」
沙耶が喜びそうなデザートでも買って、病院に行けば、喜んで俺に抱きついてくるだろう。
そうしたら、抱きしめてキスをすればいい。
「何を考えているんだ……胃が悪いっていうのに」
今朝、顔を出した時の可愛いこと。
仕事はきっちりと隙がなくこなす彼女が見せる、可愛い性格。素直に自分を出せるなんてなかなか出来るものじゃない。
俺はカッコつけたくて仕方がないが、彼女は気持ちの赴くままに俺にぶつかってくる。
キスをねだり、会いたいと口にする。
素直になることを年齢を重ねれば、重ねるほど「大人」が邪魔をする。
会話らしい会話をしてこなかった俺には、沙耶と密になる時間がもっと必要だ。
社長としての俺は熟知していても、個人の俺は知らない沙耶とのコミュニケーションは重要で、もっと俺という男を知ってもらいたい。
「あ~何をしてるだろう」
こうして沙耶のことばかりを考えている俺なのに、沙耶ときたら仕事は大丈夫か、部長はちゃんとやってくれているのかと、仕事と部長のことばかりを心配している。
心配されている部長が憎たらしくて、この間意地悪をしてやったら、大量に汗をかき、大慌てをする姿を見て、ほくそ笑む。
「ふん、妻子持ちなのに、部長が悪い」
しかし、こんな意地悪をして評判が悪くなっては、性悪社長の彼女という、レッテルがついてしまうのは可哀そうだ。
優しく気遣いをして、柔和な態度を見せることも忘れない。
すべては沙耶のためだ。