片思いウエディング~夫の不倫で!?離婚しましたが、コロナ禍で再婚して赤ちゃんを授かりました~
俺は澪を連れて、「東亜医科大付属病院」に足を運んだ。車から下りて本館に向かう道中、遠目に陰圧テントを見つけた。

自分の目で直に見るとカラダに緊張が走る。

マスクにフェイスガード、手には使い捨ての手袋。
俺達の出来る感染防止対策をして、院内のエントランスロビーを潜った。

「・・・もしもの時の為にも最高レベルの医療を受けさせたい…」

「分かってますよ…」

澪に沙織と同じ運命は辿らせてたくない。

俺は産婦人科外来の診察室を探した。

澪を診察したのは、白石先生の奥さん・由夢(ユメ)さん。

「高木先生の友人ですか…へぇー…」

イケメンの白石先生に似合う美人。

「・・・高木先生は危機を脱して、容体も安定していますよ…安心してください…」

「それを訊いて安心しました…」

俺はホッとして、思わず瞳に涙を滲ませる。

「・・・このまま…当院で妊婦検診を続けるんですね…分かりました…」

「よろしくお願いします」


< 162 / 204 >

この作品をシェア

pagetop