片思いウエディング～夫の不倫で！？離婚しましたが、コロナ禍で再婚して赤ちゃんを授かりました～

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入籍から一年の月日が流れる。
『ヘブンズホテル・ベイ東京』
『ヘブンズホテル』は、『筒見リゾートマネジメント』が手掛ける湾岸のインバウンド向けの高級リゾートホテル。
地下三階地上二十階客室は千室を超えた巨大ホテルとして名を馳せていた。
そんなホテルの重要な役目を担うコンシェルジュチーフに就くのが私の自慢の夫･圭斗さん。
私はコンシェルジュデスクに立つ圭斗さんを訊ねた。

「あの…」

「澪…」

圭斗さんはキレイに整えた眉を顰め、私を見つめる。

そして、デスクを出て人目のつかない場所に私を誘導した。

「この私に用があるなら､｢LINE｣でと言っている はずだぞ…澪」

「「LINE」送信しても…圭斗さんは忙しくて既読もしないから…」

「で、何の用だ？」

「今日の夕食なんだけど…」

「夕食?夕食は食べない…ホテルに泊まる…澪のスキなモノを食べるといい」

「あ、そうですか…分かりました…話はそれだけです…お仕事中、すいません…」

「あぁ～私は戻るぞ…じゃあな」

圭斗さんは冷たく言い放つと、コンシェルジュデスクに戻ってしまった。